昨日は用事があったので新宿に行きました。
新宿駅の西口を出るとすぐに、私は年配の女性に話しかけられました。
何かの勧誘かと思いスルーしようとしたのですが、どうやらそんな感じでもない様子でした。
知らない女性に話しかけられる
「ライオンはどこですか?」
「え?」
「東口のライオンはどこですか?」
「ここは西口ですよ」
「そうなんですか?どうしようかしら…」
「ライオンって、あのレストランみたいなとこですか?」
「そう、ビックロの近くって聞いたんだけど」
私は昔から人に道を聞かれることが多いです。
それは日本のみならず、イギリスに住んでいた時も、旅行でタイに行った時も、私はよく道を聞かれました。
なぜだ〜(笑)
私は道を聞かれると、時間がある限り、なるべくその場所まで送ってあげたいと考えています。
私は言いました。
「結構遠いですけど、送っていきましょうか?」
「え、いいんですか?」
「いいですよ」
女性が心の奥で感じていたこと
私たちは2人で並んで歩き始めました。
それはまるで、おばあちゃんと孫のような光景だったかもしれません。
しばらくすると、女性が言いました。
「こんなに大きな駅だとわからないね〜」
「そうですよね、わからないですよね」
「人も多くて」
「本当にそうですよね」
なんとなく会話はそこで終わり、2人の間には無言の空気が流れました。
私は思いました。
「ん〜、『女性は無言になるのがあんまり好きじゃない』ってお話を恋愛心理学の授業で聞いたような気がするぞ。ここは会話作ったほうがいいかな?う〜、何話そうかな。『どこから来られたんですか?』って聞いたら、『こいつグイグイ個人情報聞いてくるな』って思われるかな〜」
無言は続きます。
「『今日はお友達と夕食ですか?』とか言ったら、やっぱり『こいつグイグイ個人情報聞いてくるな』って思われるかな〜」
そんなことを考えていると、女性が口を開きました。
「私ね、怖かったの」
「怖いですよね、新宿は」
「そうじゃなくてね」
「ん?」
「人に声をかけるのが怖かったの」
「あ〜、なるほど、そうだったんですね」
その女性が怖れを感じながらも、私を選んで声をかけてくれたことにちょっと嬉しい気持ちがしました。
そこから2人の間に流れる緊張感が少し和らいで、その後は自然に会話を続けることができるようになりました。
自分の感情を伝えてあげると親密感が生まれる
カウンセリングをしていて、「男性との初めてのデートで会話がなくなったら、どうしたらいいですかね?」という質問をされることがあります。
そんな時は無理に話さなくてもいいのかもしれませんが、「あなたが今感じている感情」や「あなたが彼と出会ってから感じた感情」を伝えてあげるのも有効ですよ、というお話をすることがあります。
「本当は今少し緊張しています」
「初めてお話しした時、『優しそうな人だな』って思いました」
「今日のご飯美味しかったです」
「デートに誘ってもらって嬉しかったな〜」
あなたの心を開いて、感情を彼に教えてあげる。
すると、不思議なもので2人の間に親密な空気感が生まれることがあります。
あなたの感情がわかると、相手は安心できたりします。
あの年配の女性が言った、「私ね、怖かったの」という言葉によって、私と彼女の間に親密感が生まれたのは、「感情の開示がポイントだったんだな〜」と気づいた出来事でした。